日銀によるETF購入やGPIFの日本株取得に対する誤った批判に反論する

 

 

 

まず、日銀によるETF購入は、コーポレートガバナンスを損ない好ましくないとする主張、

批判がまかり通っている。この主張は次の点で誤っている。

第一に、日銀がETFを取得することで、コーポレートガバナンスが損なわれた実例は未だ存在しない。

第二に、大企業において株主投票により、その企業の経営が改革された実例は極わずかであり、モノ言わぬ株主である日銀の保有分が増加することは、企業の経営に悪影響を及ぼさない。また。日銀のETFを介した保有分増大が他株主の提案を阻害することはない。

 第三に、日銀保有ETFの株式議決権は、ETF組成会社により株式価値向上のために行使されている。

 

次に、日銀によるETF購入は、健全な株価形成を阻害し、資本市場を混乱させているとする主張、批判がある、この主張も以下の点で誤っている。

第一に、健全な株価は誰にもわからない。株価は常に正しいものでは無いことは事実である。そのため、この批判は完全に的外れである。

例え、健全な株価というものが存在したとしても、日本株が諸外国に比べて異常に高い状況ではなく、批判には当たらない。

 

 

第二に、株価が上昇することが健全な株式市場である。株価が上昇するから、企業は資金調達を株式市場ですることができる。

日銀によるETF購入は株価を上昇させることに繋がる、上昇させることそのものには問題は全くない。

 

さらに、日銀によるETF購入は、日銀のバランスシート上に、リスク性資産を増加させるため、資産価格が下落した場合、日銀が破綻し通貨の信用が滅失するという主張、批判がある。

この主張も以下の点で完全に誤っている。

第一に、例え株価が下落し、日銀が債務超過に陥るとも、日銀は発券銀行でありいくらでも円は発行できるため、債務不履行とはならす、円の信用も棄損しない。また、日銀はバランスシート上発券した紙幣を負債と計上しているが、当然発券紙幣には返済義務は存在しないため、実質的な日銀純資産は100兆円以上存在し、保有ETFが無価値となっても実質的には債務超過とはならない。

 第二に円の信用は高々数十兆円の日銀純資産ではなく、日本政府の徴税力、360兆円の対外純資産、150兆円の外貨準備、550兆円のGDPに支えられているため、そもそも日銀の信用と円の信用がリンクしているとは考えられない。