SES事業について① 解説

 

SESとはシステムエンジニアリングサービス(System Engineering Service)を略したものであり、エンジニアやIT技術者をクライアントに派遣し、クライアント先の常駐エンジニアとして、業務を行うという事業です。

 

実質的には、エンジニア特化型の派遣業態ですが、派遣契約でも無ければ、請負契約でもなく、準委任契約でエンジニアをクライアント先に常駐させます。

 

SESでの業務は、エンジニアの採用、営業による案件の獲得、案件とエンジニアのマッチング、エンジニアのケアと管理というものです。

 

何故突然のSES事業について書いているかというと、東大起業サークルTNKの先輩から、SESでの起業の話を持ちかけられため、最近SESについてかなり調べたからです、

 

自分で調べた用語の解説を入れておきます。

 

SESってなに

➡SES(System Engineering Service)とはソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約及びその事業。

成果物ではなく、労働の対価として報酬が発生し、成果物に対する責任は発生しない。善管注意義務のみ発生する。

 

派遣と業務委託の違い

➡会社の人材が不足している業務を補うために派遣として人材を提供することであり、業務委託では依頼した業務の納品である。

業務に対する責任が派遣契約では派遣先の企業にあるのに対し、業務委託では全て業務委託先に任せられる。

派遣契約では派遣社員に対する管理は派遣先の企業が直接行なうのに対し、業務委託においては委託元が業務委託先の請負業務に直接管理を行なうことはできない、請負業務の方法について直接指定することもできない。



準委任契約と請負契約の違い

➡準委任契約では、労働の対価として報酬が発生し、成果物の対価しとて報酬は発生せづ、成果物に対する責任は発生しないが、請負契約では成果物に対する対価として報酬が発生し、成果物に対する責任が生じる。

また準委任契約では労働者に対する指揮命令権は派遣元にある。



精算幅ってなに

➡SESにおいては、報酬の積算をする上での就業時間をある程度の幅を設けて設定し、その幅を精算幅という。例えば精算幅140〜180hで人月40万円といった形で積算する。

 

上下割と中割の違い

➡月の就業時間の合計が、精算幅の上限を上回ったとき超過精算を行ない。精算幅の下限を下回ったとき控除精算を行ない、報酬を変化させる。

この時精算を行う上での時間単価の算出手法として、上下割と中割(中央値割)がある。

中割は、月単価を積算幅の最大値、最小値でそれぞれ除し計算した時間単価の平均値を、精算時の時間単価として使用する。

上下割は、月単価を積算幅の最大値で除し計算した時間単価を超過精算時の時間単価として使用し、月単価を積算幅の最小値で除し計算した時間単価を控除精算時の時間単価として使用する。

 

上流、下流ってなに

システム開発は次の様に上流から下流と開発が進む 要求分析→要件定義→機能設計→コーディング→各種テスト→納品

 

エンドってなに

➡システム、アプリを最初に発注した企業、納品物を実際に使用する企業である。

 

2次請け、3次請けってなに

➡エンドから直接受注した企業が1次請けであり、その企業から業務を受託した企業が2次請け、その2次請けから業務を受注した企業が3次請けであり、以後4次請け5次請けと階層構造になる。

 

NDAとは

➡秘密保持契約( Non-Disclosure Agreement)のこと

法律で定められた守秘義務とは異なり、契約上の義務として、業務上で知った情報を外部に流出又は利用しない趣旨の契約



瑕疵担保責任ってなに?

➡「瑕疵担保責任」とは、納品されたシステムにバグがあった場合に、クライアントの方から、ベンダに対して、システム開発契約を解除したり、損害賠償請求ができること。

2017年民法改正で、この瑕疵担保責任における「瑕疵」という言葉を削除し、「目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない」という意味で「契約不適合」となった。

瑕疵担保責任の内容として、①修補請求、②解除、③損害賠償請求、④代金の減額請求がある。

システムの契約不適合(瑕疵)の事実を「知った時」から1年以内に上記の請求が可能である。

ただし、引渡しから最大5年以内に責任追及しない限り、たとえ知ってから1年以内であっても、請求できなくなるという制限がある。

瑕疵の重要度に関係なく、修補に過分な費用がかかるケースでは、クライアントはベンダに対して、システムの修補請求ができない。