持続可能性の本質的な誤謬

地球環境可能性に対する誤った認識が全世界に広がってしまっている。
それは特定の生命に対して地球環境の持続可能性が存在しているという考えである。

そもそも、地球環境は特定の生命、生物群の生育環境になんの持続可能性も担保していない。
実際に、人類誕生以前に多くの生物が絶滅しており、また、生物群で考えれば頻繁にその生物の行動が生育する環境収容力を超えてしまったがために、生息数が激減または絶滅したのである。
持続可能性を持った生態系は、どの時代、どの場所においても、地球開闢以来存在していない。

この類推で考えれば、人類の居住環境には超長期的には持続可能性などないのである。
これは産業革命以前からの問題であり、CO2排出量の削減でCO2排出量を産業革命以前の水準に戻したことで、持続可能性は維持できないのである。

ここで重要なことは、環境保護そのものが不必要であるということではない、CO2排出量の削減は恐らく必要である。
そうではなくて、持続可能性は永遠に不可能であり、人間が生存するには、無限な科学技術の進歩と人間の生存圏を拡大する必要があるということである。
少なくとも、経済成長が停止し、GDPが大幅に減少したとしても、科学技術の発展なしには人類がこの星に生存できなくなることは超長期的には時間の問題であろう。
重要なのは持続可能な成長といった誤魔化しではなく、持続不可能性を認識した上で環境対策をしつつ、無限の科学技術の発展と経済成長を目指すという在り方である。